パイナップルの栄養と効能~健康効果や妊婦さんへの影響も詳しく解説~
当記事の執筆は、管理栄養士 松原知香が担当しました。
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デザートとしてだけではなく、酢豚など料理にも使われるパイナップル。
そしてパイナップルに含まれている栄養の効能効果は、便秘解消や美肌など私たちの健康的な体づくりをサポートしてくれます。
そこで今回はパイナップルの栄養と効能について詳しく解説いたします。保存状態による栄養の違いや、普段あまり食べない芯の栄養についてもお話ししますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
パイナップルの栄養素と効能効果
パイナップルに含まれている主な栄養素として炭水化物、たんぱく質分解酵素(ブロメライン)、ビタミンCがあげられます。
ここでは、それぞれの働きについて解説いたします。
エネルギー源や便秘解消となる炭水化物
炭水化物は糖質と食物繊維の総称です。糖質は体を動かす際のエネルギーとして使われる栄養素で、食物繊維は便秘解消などの効果があります。
パイナップルには100gあたり13.7gの炭水化物が含まれており、ショ糖(※)をはじめとする糖質が大部分を占めます。
(※)ショ糖とは脳を動かす唯一のエネルギー源である「ブドウ糖」と、果物に多く含まれる「果糖」が結びついてできた糖類
たんぱく質分解酵素(ブロメライン)
パイナップルに含まれるたんぱく質分解酵素(ブロメライン)は、名前の通りたんぱく質を分解する酵素です。酵素は私たちの体の中で、栄養素の消化・分解・吸収・代謝を助ける重要な役割をもっています。
ちなみに、パイナップルをミキサーでペーストにしたものにお肉を漬けておくと、たんぱく質分解酵素の働きにより、焼いても硬くならず柔らかい状態で食べられます。
また、パイナップルを食べると舌がピリピリするといった経験はありませんか?あれは、たんぱく質分解酵素が舌の上のたんぱく質を分解することで起こる現象です。
この現象は、パイナップルを一度にたくさん食べると起こりやすいので、食べ過ぎにはご注意ください。
美肌にはビタミンC
ビタミンCは、美肌には欠かせないコラーゲンを作る際に必要となる栄養素です。さらに、しみの原因となるメラニン色素の生成を抑える、日焼けを防ぐといった女性には嬉しい働きが多くあります。
また、風邪やストレスに対する抵抗力を強めるといった効果も期待できます。
ニキビにはビタミンB2
パイナップルに含まれているビタミンB2は美肌の大敵、ニキビの対策に有効です。ビタミンB2は皮脂の分泌を調整する働きがあり、「皮膚のビタミン」とも言われています。
参考記事:パイナップルのカロリーと糖質はやや低め〜缶詰やダイエットでの活用法も紹介〜
パイナップルの芯にも栄養はあるのか
普段、パイナップルの芯を食べる機会はあまりありません。さらに、芯は固いため食べずにそのまま捨てるという方も多いのではないでしょうか。
実はパイナップルの芯にも、たんぱく質分解酵素であるブロメラインが含まれています。芯は他のフルーツとともにミキサーにかけると、スムージーとしておいしく食べられますよ。
冷凍や缶詰には栄養がない?
冷凍すると、生の状態より栄養が損ないように感じる方も多いのではないでしょうか。たしかに冷凍することで細胞が壊れるため、解凍した時に細胞内に存在しているカリウムや水分が抜けやすくなります。
また缶詰と生のパイナップルを比較すると、ビタミンCが缶詰にすることで1/5まで減ってしまいます。
しかし、他の栄養面で大きな変化はありません。
冷凍も缶詰も、一部の栄養素は損なわれる可能性がありますが、傷みやすいパイナップルを日持ちさせるというメリットがあります。
生の状態と比べて全く栄養がないというわけではないため、好きな時に食べられるという手軽さを求めている方には、冷凍も缶詰もおすすめです。
ドライフルーツはどうか
ドライフルーツにする際に加熱する工程が含まれていると、たんぱく質分解酵素(ブロメライン)とビタミンCが壊れてしまいます。
そのため上記2つの栄養素については、生の状態と比べて少ない可能性があります。ただし冷凍や缶詰のパイナップルと同様に、ドライフルーツにすると日持ちする点はメリットです。
パイナップルを毎日食べると便秘に効く理由
生のパイナップル100gには1.2gの食物繊維が含まれています。そして、そのほとんどが不溶性食物繊維です。
食物繊維には水に溶けやすい水溶性と水に溶けにくい不溶性という2種類があります。不溶性食物繊維を摂ると便の量が増え、腸が刺激されることで便通を促し便秘解消に役立ちます。
妊婦さんはパイナップルを食べてはいけないのか
妊婦さんはパイナップルを食べてはいけない、ということはありません。むしろ、パイナップルは妊婦さんにも食べていただきたいフルーツです。
理由は、パイナップルに含まれている食物繊維の効果です。妊娠すると腸の動きが鈍くなり便秘になりすいため、パイナップルに含まれる食物繊維の働きにより、便秘解消が期待できます。
注意点は、缶詰のパイナップルのカロリーや糖質量です。缶詰のパイナップルはシロップ漬けになっているため、生の状態よりカロリーや糖質が高くなります。
食べ過ぎには気を付けて、できるだけ生のパイナップルを食べるとよいでしょう。
【話題の】台湾パイナップルってなに?
台湾パイナップルと一般的なパイナップルの違いは甘さと柔らかさです。通常のパイナップルと比べてより濃厚な甘みと柔らかさが特徴で、固くて捨ててしまいがちな芯までおいしく食べられます。
スーパーではなかなか見かけないですが、ぜひ一度食べてみたいですね。
まとめ
パイナップルには炭水化物やビタミンC、食物繊維、ビタミンB2が含まれ、毎日食べることで便秘解消や美肌効果が期待できます。
またいつもは捨ててしまいがちな芯にも、私たちの体に重要なたんぱく質分解酵素が含まれているので、捨てずに活用するとよいでしょう。
パイナップルは生の状態が1番多くの栄養素を摂取できます。一方で生は傷みやすいため、冷凍や缶詰、ドライフルーツといった日持ちする状態で保存すると、好きな時に食べることができます。
それでは当記事を参考に、パイナップルの栄養成分で健康な生活を送っていただけるとうれしいです。
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【参考文献】
文部科学省 食品成分データベース
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット
経済産業省 ケミカルワンダータウン パイナップルの逆襲!?
農林水産省 医療分野でも活用される冷凍技術
福島県 県産果物の加工 ドライフルーツの加工
東京かつしか赤十字母子医療センター 母子日赤だより 食物繊維について
台湾新聞 「台湾パイナップルのご紹介」~低カロリーでヘルシーな果実