めかぶの栄養と効能効果〜ヌルヌル成分に秘めた働きを管理栄養士が解説〜
当記事の執筆は、管理栄養士 前間弘美が担当しました。
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「なんだか体に良い気がする」と、いつも何気なく食べてしまっているめかぶ。最近はコンビニや居酒屋などにも置いてあることが多いので、食べたことのある人が多いのではないでしょうか。
食卓の主役になることはないめかぶですが、実はすごいパワーがギュッと詰まった健康食品なのです。これを読んだあとは、食卓の脇役にしておくのはもったいないと思ってしまうかもしれません。
今回は、めかぶの栄養や効果について解説いたします。オススメの食べ方もお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
めかぶの栄養成分と効能効果
めかぶは低カロリーな食品としては有名ですが、その他の栄養素も含まれていない、なんだか頼りない食品に見られがちです。
でも実は、特筆すべき栄養成分があります。それは食物繊維です。それでは、めかぶに含まれる食物繊維が体にもたらす良いところを解説していきます。
めかぶは食物繊維が豊富
食物繊維は、消化管で消化されずに大腸まで達する成分です。
体に吸収されることはないものの、健康に関わる重要な成分です。現代の日本人には不足している成分なので、積極的に摂ることがすすめられているのです。
食物繊維は水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」に分かれます。
めかぶのヌルヌル成分には、前者の水溶性食物繊維であるフコイダンやアルギン酸が多く含まれています。
フコイダンは現在研究が進められている大注目の成分です。肌や髪の毛に良いのでは?との声も挙がってきているので、美味しく食べながら、さらなる研究結果が出るのを楽しみに待ちましょう。
コレステロール値の改善につながるの?
答えはYESです。めかぶを食べると、コレステロール値の低下が期待できます。
食物繊維には、体内でコレステロールから作られる胆汁酸の排泄を促し、血中のコレステロール値を下げる働きがあるからです。
コレステロール値が高めの方は、積極的に日々の食事に取り入れましょう。
参考記事:脂質異常症とコレステロールの関係性~診断基準や注意する食品をシンプルに解説~
めかぶは糖尿病にいいの?
こちらも答えはYESです。めかぶに含まれる豊富な食物繊維には、食後の糖の吸収をゆるやかにしたり、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする働きがあるからです。
参考記事:血糖値を上げない食べ方について管理栄養士が解説~順番や糖質量も~
めかぶは毎日食べたらダメなの?
結論を申しますと、食べても大丈夫です。めかぶの食物繊維がコレステロールを排出してくれたり、血糖値の上昇を抑制したりと、健康に気をつかう方にとって魅力的な食材ですね。
毎日の食事に取り入れて、不足しがちな食物繊維を補いましょう。
なお日本人の食事摂取基準(2020年版)では、食物繊維の目標量は、18歳から64歳の男性は21g以上、女性は18g以上とされています。
めかぶ1パック中には、食物繊維がなんと1.7gmp含まれています
とはいえ、めかぶだけ食べていたのでは栄養バランスが偏ってしまいます。食物繊維は根菜や豆類などにも多く含まれているので、それらの食品も食べるようにしましょう。
参考記事:食物繊維を多く含む食べ物をランキング形式でご紹介~ダイエット中にオススメな理由も解説~
食べ過ぎってどれぐらい?
1日にめかぶを2パック以上食べると食べすぎなのではないか、と考えられます。
めかぶ1パックは50gで、塩分は0.2gです。塩分は摂りすぎると高血圧を引き起こすため、適量摂ることが大切です。日本人は塩分を摂りすぎる傾向にあるため、塩分を含む食品は食べすぎないようにしましょう。
参考記事:醤油の塩分量はどれくらい?~減塩のコツや他の調味料の塩分量を解説~
めかぶの食べ過ぎは甲状腺に影響するのか
適度に食べる分であれば、NOです。海藻や魚介類にはヨウ素が含まれています。
「ヨウ素は甲状腺の機能に悪い影響を与える」という噂はよく聞きます。そのため、海藻類を控えている方もいるのではないでしょうか。
まず、ヨウ素は人の体の中では甲状腺ホルモンに含まれる成分であり、新陳代謝を促すために必要なミネラルなのです。私たち日本人が食べている食材の中では、昆布に多く含まれています。
しかし同じ海藻でも、めかぶや海苔などにはそれほど多くのヨウ素は含まれていません。
さらにヨウ素は摂取量に上限(18歳以上男女共に3,000μg)が設けられています。海藻類がヨウ素を多く含んでいるとはいえ、適量を摂取しただけではこの上限に達することはないので、安心して食べていただけますよ。
参考記事:ミネラル豊富な食材をご紹介~不足しがちな栄養素を中心に解説します~
めかぶとわかめの違いはなに?
めかぶはわかめの根元部分のことです(ちなみに漢字にすると、わかめは「和布」、めかぶは「和布蕪」と書きます)。
スーパーなどでは、切り離してバラバラに売られていることが多いため、まったく違う食材のよう思っていた方も多いかもしれませんね。栄養成分の面からみると、水溶性の食物繊維はめかぶのほうが多く含まれていますよ。
参考記事:【意外に知らない】わかめの栄養成分~健康効果を詳しく解説~
めかぶは納豆と混ぜると美味しくて健康的な最強メニュー
前述のとおり、めかぶは低カロリーで食物繊維が豊富、そして嬉しいことに糖質がゼロです。一方、ネバネバ食品仲間である納豆は、低カロリーで食物繊維が豊富なのはもちろん、なんとコレステロールまでがゼロなのです。
めかぶと納豆、2つを混ぜるとただ美味しいだけではなく、健康的で最強メニューになりますね。このまま食べても良し、ご飯やお蕎麦に乗せて食べても良しです。
ご自身にとってお好きな食べ方を見つけてくださいね。
参考記事:納豆の栄養成分と効能~トッピングの栄養も含め管理栄養士がポイント解説~
まとめ
以上、めかぶの栄養や効能についてお伝えしました。最後にまとめますと、
・コレステロールの改善や糖尿病にも効果が期待できる
・納豆と一緒に食べるとより健康的
となります。
めかぶは社員食堂のメニューとして置いてあることも多いです。今までめかぶに親しみがなかった方も、ぜひプラス1品のメニューとして取り入れてみてくださいね。
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参考文献
文部科学省 食品成分データベース
環境省 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成29年度版)
厚生労働省 e‐ヘルスネット
タカノフーズ株式会社 納豆のこと