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脂質異常症を改善する運動とは?~効果ややり方・注意点を解説~

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当記事の執筆は、健康運動実践指導者  河内義紀が担当しました。

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脂質異常症と診断されたときに、医師から「運動してね」と言われた方も多いはず。

じつは、脂質異常症の改善には食事の他に運動が有効なのです。そ

では一体、どのような運動をしたらよいのでしょうか?

そこで当記事では運動の種類や頻度、運動する上での注意点をご紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

運動による脂質異常症の改善効果

脂質異常症は運動で改善する?

脂質異常症は血中脂質であるコレステロールや中性脂肪が基準値から外れた状態であり、運動や食事など生活習慣の影響を受けやすいです。

そのため、運動していない方が習慣的に運動するようになると、脂質異常症を改善できる可能性があります。

その証拠に、脂質異常症は動脈硬化のリスクを高めますが、運動療法により改善したとの報告が多くあるのです。食事とともに運動習慣を見直すとよいでしょう。

ガイドラインに記載されている運動療法

脂質異常症のガイドラインに記載されている運動療法は次の通りです。

・種類:有酸素運動が中心(ウォーキング、速歩、スロージョギング、水泳など)
・強度:中強度(楽である~ややきついと感じる程度の運動)
・時間、頻度:毎日合計30分以上、少なくとも週に3日


ちなみに血中脂質は1回の運動で改善されないため、数か月以上の長期的な運動が必要です。

コレステロールを下げる運動のポイント

血液中のLDLコレステロールを下げる運動として、有酸素運動を推奨します。

なぜなら有酸素運動は、体内で過剰となったLDLコレステロールを回収するHDLコレステロールを増やすからです。

つまり、HDLコレステロールが増加するとLDLコレステロールは減少します。

なお、HDLコレステロールを増加させる運動のポイントは「1週間に120分間の運動を行う」もしくは「1週間に合計900kcalのエネルギーを消費する身体活動を行う」です。

1週間に120分間の運動を行うためには、17〜18分の運動を毎日実施したり、30分の運動を週4日実施する必要があります。

また1週間に900kcal消費する活動の例としては、体重65kgの人が1時間の散歩を週4日実施することが挙げられます。

自宅でできる運動

自宅でできる運動

有酸素運動と言えば、ウォーキングやジョギングなど屋外で行うイメージがあるかもしれません。

しかし屋外での運動は天候に左右されやすいので、続けにくいと感じることもありますよね。

一方で、自宅でできる有酸素運動もありますので、さっそくご紹介していきます。

ラジオ体操:第一と第二を合わせても6〜7分なので、隙間時間にピッタリです。
踏み台昇降:個人の体力に合わせて、高さや実施時間の調整ができます。
ヨガ:少し難易度は上がりますが動画を見ながら行ったり、オンラインレッスンのサービスもあります。

コレステロールなどの血中脂質が気になる方は、天候に左右されず、隙間時間を活用できる自宅での運動を始めてみませんか?

参考記事:室内の運動におすすめメニュー〜身近なもので代用〜

筋トレの方法

有酸素運動とともに筋トレを行うと、血中脂質の改善により効果的です。

中でも器具を使わずに自分の体重を利用して行う筋トレは、手軽に実施できるのでオススメです。

代表的な筋トレにスクワットや腕立て伏せがありますが、10〜15回の反復を1日1〜3セットほど無理のない範囲で行うとよいでしょう。

また筋トレは毎日行うのではなく、2〜3日に1回程度の頻度で継続的に実施し、筋肉の回復時間を設ける必要があります。

運動しすぎることで関節を痛めたり、血圧が極端に上昇するなど、運動を継続することが困難になる場合がありますので、その日の体調に合わせながら実施してください。

参考記事:【糖尿病の方必見】筋トレは血糖値の改善に有効〜オススメの筋トレを紹介〜

運動しすぎるとコレステロールは上がるのか

運動することで血液中のHDLコレステロールは上がりますが、過度の運動はオススメできません

すでに申し上げているように、血中脂質の改善には中強度の運動が適しています。

また血中脂質改善に効果が出るよう、数か月以上の長期的な運動を継続するためにも、無理のない運動を実施しましょう。

どれくらいで効果があらわれるの?

運動の効果があらわれるようになるのは、個人差が非常に大きいため明言することは難しいといえます。

しかし先ほども触れた通り、血中脂質の改善には長期的な運動が必要です。

そのため、通院する頻度を1つの目安とするとよいでしょう。

こちらも脂質異常症の状態によって個人差はありますが、1~2か月に1回の頻度で通院・採血されている方が多いので、まずは1~2か月を目安に続けます。

検査結果から主治医と相談し、運動の内容や量を変えて行くと良いですよ。

運動する時の注意点

運動は脂質異常症の改善に有効ですが、個人の体力や健康状態によっては体調を崩す恐れがあります

そこで注意すべき人を下にまとめました。

心血管疾患の既往歴がある方
血圧や血糖が著しく高い、または低い方
関節に痛みがある方


これらに当てはまる場合や体調に不安のある方は、必ず運動前に主治医に相談し運動の可否を確認してください。

さらに運動の種類や継続時間、頻度なども相談しておくと安心です。

脂質異常症の改善には食事も必須

脂質異常症を改善するには食事にも気を付けよう

運動の効果をより高めるためにも、食生活の見直しが必須です。

運動によりHDLコレステロールが増加しても、食事が偏っていたり過剰な状態では体内のLDLコレステロールを処理しきれず、血中脂質が改善しにくくなるからです。

参考までに、脂質異常症改善のために見直すべきポイントを以下に記します。

カロリーを摂り過ぎていないか(標準体重を維持できているか)
1日3食規則正しく食べているか
バランスの良い食事が摂れているか

やみくもに食事を制限するのではなく、ポイントをおさえた食事をすることで、継続して食事改善に取り組むことができますよ。

参考記事:脂質異常症の食事改善ポイントとは?~管理栄養士がわかりやすく解説~

食べてはいけないものはある?

脂質異常症だからと言って、食べてはいけないものはありません

しかし、食べる量や頻度に注意すべき食品はあります。

とくにLDLコレステロールが高い方は、バターや肉の脂身などの飽和脂肪酸を多く含むものや、コレステロールの多い食品は食べ過ぎないようにしましょう。

運動と併用して食事を見直すことで、脂質異常症の改善効果が高まりますよ。

参考記事:【医師監修】脂質異常症になったら食べてはいけないものってあるの?~コンビニ食の活用方法の解説付き~

まとめ

以上、脂質異常症を改善する運動についてお伝えしました。

脂質異常症改善のためには、中強度の有酸素運動を毎日合計30分以上、少なくとも週に3日は実施しましょう。

ただし基礎疾患のある方や体調に不安のある方は、必ず運動前に主治医に相談してください。

数か月以上の長期的な運動が検査値の改善につながりますので、無理なく続けられるようご自身に合った方法を見つけられるとよいですね。

それでは当記事を参考に運動療法を開始し、脂質異常症の改善につながることを願っています。

なお、弊社の開発する無料アプリ・シンクヘルスでは体重・カロリー&糖質を含む、食事・血糖値などの記録がカンタンにできます。日々の健康管理でぜひ活用してみてください。

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参考文献
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版

厚生労働省e-ヘルスネット 脂質異常症を改善するための運動/レジスタンス運動
J-STAGE 食事・運動療法の可能性と限界

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